成長ホルモン剤の使用目的

自分の子供の身長が、よそのお子さんより低かった時、努力をしても身長は伸びないものだとわかってはいても、親というものはやはり気になってしまうのです。



身長が伸びない理由には、他の子供より成長期に入るのが遅かったために、周りの友達よりも遅れて背が伸び始めるという場合が考えられます。



しかし、実際にいつまでも身長が全く伸びないという子供もいるのです。



なるべくなら、はっきりと原因を知ったうえで、自分の子供に対して対策をしたいと考えている親御さんが多いと思います。



では、身長の高さを決めるメカニズムは、どのような仕組みになっているのでしょうか?この仕組みを理解できれば、自分のお子さんの低身長の理由がわかるかもしれません。




ちなみに、平均身長と比べて身長が極端に低いことを「低身長」と呼びます。



しかし、低身長と言われても、何かの異常があって低身長なのか、平均身長よりも背が低いというだけで低身長と言えるのか、わからないと思います。



人間は生まれた時はみんな約50センチという身長です。



しかし、大人になると身長にはかなりの個人差が出てしまいます。



この身長の差は、成長期にどのくらい身長が伸びるたかによって決まってきます。



まず、女児の成長期のピークは平均9.5歳頃からで、男児の成長期のピークは11歳前後という統計が出ています。



それでは、なぜ成長期に身長が伸びやすいのでしょうか。



では、ここで成長ホルモンと身長の伸びとの関係について話しておきましょう。



大脳の直下にある脳下垂体という分泌腺で成長ホルモンは生成されます。



これが血液から体中のいたるところに送られるのです。



また、脳下垂体はホルモン工場とも呼ばれており、成長ホルモン以外にも、6種類ほどのホルモンを生成しているのです。



そのうえ、脳下垂体は、各臓器からのホルモン不足の信号を受けて必要なホルモンを配送するという中核センターの役割も果たしているのです。



つまり脳下垂体は、製造から運搬までの一貫工程を行っています。




成長期になると、身長が急に伸びたり、男性は男らしく、女性は女らしくなるのは、男女ともにこの成長ホルモンを大量生産する指令が働き、それを全身に送っているからなのです。



しかし、何かの原因によって成長ホルモンの生成がまったくできなくなったり、正常に生成できなくなると、体全体の細胞に対して成長ホルモンの働きかけが行われなくなり、身長の伸びや発育が遅れてしまう場合もあるのです。



このような症状が出てしまった時のために、成長ホルモンを使った治療法が開発されました。



また、成長ホルモンは、代謝にも関係しています。



代謝の働きが異常をきたすと、生命活動がうまく行われなくなります。



代謝とは人体がエネルギーを作ったり、生命維持のために行う化学反応のことです。



特に代謝は皮膚や毛、汗などとの関係がもっとも大きく、代謝作用に異常が起こると、毛髪がパサついたり、汗をかかなくなって皮膚にトラブルが起きやすくなります。



全身のいろいろな器官で不都合が生じるのです。




成長ホルモンは、肝臓でのグリコーゲン分解を促し血糖値が下がるのを防止し、炭水化物やたんぱく質、脂質などの栄養素の分解の促進しています。



さらに、エネルギー不足に陥った時には体脂肪を使ってエネルギーを起こしたり、カルシウム濃度を一定に保つ、などといった代謝の働きを促進しているのです。



成長ホルモンの分泌によって、私達人間が生きて行く上で欠かすことのできない体内での作用がスムーズに行えるのです。



このように成長ホルモンは、私達人間が生きて行く上でとても大切な役割を担っています。



成長期に身長を伸ばすということ以外にも、一生を通じて人間にとってはとても大切なホルモンなのです。



逆に言うと、成長ホルモンの分泌が悪くなると、身体にさまざまな不調が起こるというわけです。



これに対する治療に、成長ホルモン剤が使われるのです。