人間に必要な成長ホルモン

人間の成長ホルモンは、ヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone ヒューマン・グロース・ホルモン)というもので、略してHGHと呼ばれています。



成長ホルモンは脳にある脳下垂体前葉のGH分泌細胞から分泌されます。



ヒト成長ホルモンに注目が集まったのは、1965年です。



この年に初めて抽出に成功し、その存在が世間に広く知られるようになったのは1980年代ごろです。



このヒト成長ホルモン、発見された当初は死んだ人の脳から採取されていたのです。




バーバラ・ストライドやドナルド・レーガン元アメリカ大統領、さらにハルク・ホーガンなどの有名人がメキシコの高級保養施設で、ヒト成長ホルモンの注射を受けながらリラックスしている姿がテレビで紹介されたことで、世界中が驚愕しました。



当時は、アンチエイジング療法として使われており、当時の金額で2500万以上という高値でした。



まさにセレブしか受けられない究極のアンチエイジング美容法だったと言えるでしょう。



では次に成長ホルモンが実際にどのような働きをしているのかを見てみましょう。



成長ホルモンには、成長に関する作用と代謝をコントロールする作用という二つの働きあります。




まずは、成長ホルモンと代謝の関係です。



代謝が正常に行われないと、生命活動がうまく行われなくなりますから、とても大切な作用です。



代謝とは人体が生命維持やエネルギーを作るために行う化学反応のことです。



特に代謝は皮膚や毛、汗などとの関係がとても大きく、代謝作用が滞ると毛髪がパサついたり、汗をかかなくなって皮膚になんらかの異常がおきたりします。



全身のいろいろな器官で不都合が生じてくるのです。



成長ホルモンは、炭水化物やたんぱく質、脂質などの栄養素の分解の促進、カルシウム濃度などを一定に保つ、肝臓でのグリコーゲン分解を促し血糖値が低下を防止、エネルギーが足りなくなった時に体脂肪を使ってエネルギーをおこす、などといった代謝の働きを促進しています。



成長ホルモンが分泌されることにより、私達人間が生きて行く上で欠かすことのできない体内での作用をきちんと行えるようになるのです。



次に、成長に関する作用を見てみましょう。



筋肉を成長させたり骨を伸ばしたりする働きがある細胞や器官に成長ホルモンが働きかけることによって、細胞の増殖・成長を促進させるというものです。



特に成長期には、骨の末端にある骨端線の軟骨細胞に、成長ホルモンが直接働きかけることによって、軟骨細胞の増やし成長を促しているのです。



そして、骨を大きく伸ばして身長を伸ばします。



私達が成長期に急激に身長が伸びるのはこのためです。




また、筋肉を作るための細胞への働きかけも行っています。



子供の正常な発育をサポートしているのです。



このように成長ホルモンとは、その名のとおり、私達人間の成長に欠かせない物質なのです。



とても大切と言われる成長ホルモンですが、成長ホルモンの分泌は成長期をピークです。



その後は減っていくばかりで、40代には成長期の約4割にまで減ってしまうようです。




また、加齢以外にも減ってしまう原因があります。



それは、生活習慣です。



普段の生活によっても成長ホルモンの分泌量は変わってしまう、というデータも出ています。



私達は、ホルモンの分泌が生涯きちんと行われるようにしていかなければなりません。



成長ホルモンは、身長を伸ばす目的以外にも、私達人間が生きて行く上でとても重要な役割を担っており、成長期だけでなく一生人間にとってはとても大切なホルモンだと言えるのです。



しかし、なぜ年齢や生活習慣によって、成長ホルモンの分泌量が変化するのでしょうか。



成長ホルモンが分泌される脳下垂体の働きに何か関係しているのでしょうか。



成長ホルモンの分泌量が増えれば、人間の身体にとってはよいことがたくさんあります。



多くの研究者がこのことについて日夜研究しています。



それでは、なぜ脳下垂体は成長ホルモンを分泌するのかというメカニズムそのものについて見ていくことにしましょう。