日本人の背の高さを考察

人は、自分の背の高さ・低さについて考察する際、どのような基準を設けているかご存知ですか?多くの人が基準にしているのが、よく耳にする平均身長値というものではないでしょうか。



平均身長とは何かというと、年齢、学年単位のスタンダードな値として広く知られているものです。



学生時代をふりかえると思いあたるかもしれません。




例えば、保健室内や室外の廊下などに平均身長が掲示されていたことが多かったのではないでしょうか?身長を測定す際、平均身長より何センチ高い、あるいは低いといった事を言われることもあったでしょう。




平均身長は、いわば日本人が自分の身長は高いのか低いのかを理解するものさしでした。



同時に、年月を重ねるにつれて、日本人の背が伸びているかどうかを判断するための基準ともなったわけです。



気になるのは、いつから日本人の平均身長が出されるようになったのでしょうか。



一番古い記述は昭和33年のようです。



日本は高度成長に湧いていた時代。



昭和33年は東京オリンピックを6年後に控え、東京タワーが建ったり、新商品としてインスタントラーメンが登場したりしました。



また、フラフープやロカビリーミュージックが大人気となり、テレビもお茶の間に登場しています。




このような急激な経済の発展を受けて、われわれ日本人は自分たちの身長についても興味を抱き始めたのではないでしょうか。



高度経済成長たけなわとなり、戦後の復興からも日本が再生し、生活レベルも徐々に高まった時、国や大人たちが関心を抱いたのが、日本人の身長が時代とともにどのように移り変わってきたのかということであり、また、衣食住の環境が整備されていく過程で、子供たちの成長をしっかりと把握することだったのかもしれません。




理由は今となっては類推するしかないのですが、日本人の平均身長のデータが昭和33年以降残っているのは確かです。



これ以来、日本人が自身の身長が平均より高いか低いかを判断することができるようになりました。



ところで、この平均身長から知ることができるのは、単なる数値だけではないのです。



それは、いろいろなこと、具体的に言うとライフスタイルの変化、環境、時代背景などを私たちに示唆しています。



また、日本の平均身長が世界の平均身長と比べてどうなのか、などということもわかります。




今や日本人は、戦前に比べて栄養環境も良く、生活水準は世界でもトップレベルになったと言っても過言ではありません。



しかし、一般的にアジア系の人は、欧米人に比べてあまり背が高くないですから、欧米人に比べると背が低いという傾向は現在においても昔となんら変わりはありません。




その理由として、人種の違いや食生活の違いが挙げられますが、その他に、内臓の長さが違うからという説も登場しています。



ご存知かもしれませんが、日本人を含む黄色人種は欧米人に比べて腸が長いといわれています。



そもそも日本人などの黄色人種は、植物性タンパク質をメインとして摂ることが多く、動物性タンパク質はあまり必要としません。



動物性タンパク質と比べて植物性タンパク質は栄養価が低く、繊維質が豊富で消化がよくありません。




黄色人種が白色人種よりも背が低いのはそのことに関係していると言われています。



例えば、日本人と欧米人の腸の長さを比べると、およそ1.5メートルも違うそうです。



これは体に栄養素を効果的に取り込むため、植物性タンパク質を消化するのに長い時間が必要だからと言われています。




そのため、内臓を動かすだけで消費される基礎カロリーは日本人などの黄色人種の方が欧米人に比べると多いといわれています。



さまざまな時代の流れの中で、食環境や食事のスタイルの変化が身長の変化を招いてきました。



ですが、この20年、日本人の平均身長の伸びは停滞しています。



この事実を見ると、背の高さは必ずしも栄養状態で決まってしまうとは断言できないことになります。



戦前との比較で言えば、もちろん日本人の身長は急激に伸びましたが、国際レベルで比較したとき、背の高さで昔よりも上位にランクインしたという事実はありません。



ですから、背の高さを決める要因として、栄養状態以外の要素が考えられるのではないでしょうか。